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BUTTER (新潮文庫)
『BUTTER』(柚木麻子 著、新潮社、2020年)は、木嶋佳苗被告が起こした連続殺人事件に着想を得たサスペンスです。モデルとなった女性・梶井真奈子は中年男性から金を巻き上げた末に連続殺人の容疑で逮捕されますが、作品は事件そのものよりも、彼女と面会する週刊誌記者・里佳の心の変化を中心に描きます。 里佳は取材の条件として彼女が指定した料理を実際に作って報告するうちに、これまで体型を気にして低カロリー食ばかり食べていた自分の生活と価値観を見直すようになります。こうして始まった不思議な関係はエスカレートしていき、里佳は「もしかして正しいのは梶井のほうなんじゃないか」と思い始めるようになり、周囲の人間との関係も変化していきます。 濃厚な料理描写とともに女性が背負わされる「女らしさ」の重圧を描いたユニークなサスペンスで、グローバルヒットになったのも納得です。 Netflixなどでドラマ化したら一層流行りそうな気がします。