
心はどこへ消えた?
文藝春秋
この20年、心は消滅の危機にさらされている。物が豊かな時代は終わり、リスクだけが豊かな時代がやってきたからだ。人々は目の前のことでせいいっぱい。心はすぐにかき消されてしまう。社会にも、身近な人間関係にも、そして自分自身の中にさえも、心というプライベートで、ミクロなものを置いておく余裕がない。それでも心は見つけ出されなければならない。自分を大切にするために、そして、大切な誰かを本当の意味で大切にするために。ならば、心はどこにあるのか? その答えを求めて、臨床心理士は人々の語りに耳を傾けたーー。現れたのは、命がけの社交、過酷な働き方、綺麗すぎる部屋、自撮り写真、段ボール国家、巧妙な仮病など、カラフルな小さい物語たちだった。 『居るのはつらいよ』で第19回大佛次郎論壇賞受賞、紀伊国屋じんぶん大賞をW受賞した気鋭の著者が「心とは何か」という直球の問いに迫る、渾身のエッセイ。
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