高瀬 隼子
講談社·2025·芥川龍之介賞 2022
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ずっと話題になっていたので気になっていたが、Kindle Unlimitedにあったので読んだ。 小説は、自分が今どんなことに関心を持ち、何に心を動かされるのかという、自分の精神的なコンディションや人生の段階をチェックするのに良いツールだと思う。今回この本を読んで一番感じたのは、かつての自分にとってはかなり重要だった「人間関係の機微」というテーマに、以前ほど関心を寄せられなくなっているということだった。 それは、自分が以前より精神的に落ち着き、自分なりの地盤ができてきた証拠でもあるのだと思う。他人のちょっとした言動や、人間関係の揺れにそれほど心を持っていかれなくなった。一方で、年齢を重ねるにつれて、そうした微細なものを受け取る感受性そのものが少し失われてきたのではないか、と自分を顧みるところもあった。 元も子もないかもしれないが、個人的には、周囲にどう思われようとずぶとく生きていく芦川さんの方が好ましかった。むしろ、自分自身の満たされなさを抱えながら、芦川さんの一挙一動を観察してはあれこれと思いを巡らせる二谷と押尾には、あまり良い印象を持てなかった。...
芥川賞だから読んだ、よくわからなかった