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鈴木涼美と上野千鶴子の往復書簡。読んでいて、どちらかというと鈴木涼美のメンタルカウンセリングを上野千鶴子がしているような印象を受けた。 その中で強く感じたのは、個人の価値観や思想というものは、結局のところその人自身の経験からしか生まれ得ないという、当たり前だが厳然たる事実だった。鈴木涼美の男性に関する思想や判断は、彼女自身の多くの経験に裏付けられたものであり、私自身の価値観とはかなり異なる。ただ、どちらもそれぞれが経験してきた世界から生まれたもので、どちらかが嘘というわけではない。経験が違えば、見えている世界そのものが違う。そのような中で思想を語り、さらに「社会はどうあるべきか」を議論していくことの難しさを実感した。 個人的に最も印象に残ったのは、鈴木涼美と母親との関係だった。ちょうど自分が娘を妊娠していた時期に読んだこともあり、自分は娘とどのような関係を築いていくのだろう、と考えさせられた。私自身は母との関係がとても良好だが、賢く、自分を深く理解してくれる母親であることが、場合によっては子どもにとって一種の「呪い」にもなり得る。その可能性を鈴木涼美と母との関係から感じたことが、この本を読んで一番心に残った。

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