冬話
春、夏、秋、雨粒は人々の暮らす世界を通り過ぎていきます。そして冬が来ると、雪の粒となって、ゆっくりとしんしんと人々のもとへ降り積もります。駆け足で眺めてきた世界とふれあうことのできる時間がやってきたのです。ひとしきり森や山、そこに暮らす人々とふれあった雪たちは、また、水滴となって地面にかえり、海にかえり、空に昇っていきます。 本書の作者である香港の絵本作家コニー・マオシャンは、日本をたびたび訪れ、とくに新潟には何度となく滞在してきました。そんな雪深い十日町で暮らす人々や自然との交流のなかから生まれたのが、詩と絵で紡がれた本書『冬話』です。 あとがきでは、彼女と相棒ホンさんが、香港との二拠点生活の場として新潟に住んでみようと考えていたことが明かされます。雪国に滞在した日々のささやかなエピソードとともに、そこで出会った人々のこと、自身が香港で生きること、そして厳しい冬にも、そこにとどまることを選んだ人々への思いが静かに語られます。 その思いを知って本書を読み返すとき、作品に流れる雪の循環が、人と土地を結ぶ物語として、いっそういきいきと立ち上がってくるでしょう。
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