新潮社·2005年5月
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図書館にて。ローマを舞台に世俗者の主人公ユリウスとキリスト教徒パンフィリウスや世俗を説く医者の対話を中心に物語は進行する。パンフィリウスの説明や説得に対して易々とユリウスがのるのでなく、議論、逡巡が繰り返されるところにトルストイの苦悩や思考を感じることができる。トルストイの生存の時に本文章が完全な形でロシア内に出ることはなかったそうだが、たしかに国家の否定を孕みかねない点で難しいと感じた。 他方でパンフィリウスの説く生活は理想であるが、支配者が民意を獲得する演説にも聞こえてしまうのはひねくれているだろうか