Carl Benedikt Frey
Princeton University Press·2019年
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『テクノロジーの世界経済史 ビル・ゲイツのパラドックス』(Carl B. Frey 著、村井章子、大野一 訳、日経BP、2020年)は、革新的な技術の登場によって雇用市場や社会全体がどのように変化するかを、産業革命を題材に論じた本です。 タイトルの「ビル・ゲイツのパラドックス」とは、彼が2012年に「イノベーションがこれまでにないペースで次々に出現しているのに、アメリカ人は将来についてますます悲観的になっている」と語ったことを指しています。産業革命の歴史を見てみると、機械化は長期的には間違いなく人類を豊かにしましたが、短期的に見れば雇用を奪い人々を貧しくする局面がありました。この議論は「AIによる自動化」についても成り立つはずで、現在を生きる(寿命がたかだか100年程度の)我々が「機械化で人類の仕事はなくなっていないから大丈夫」と安心するのは楽観的すぎるかもしれません。「AIによる自動化で我々の仕事はどうなるのか?」という問いについて考えるとき、産業革命の歴史は最も参考になる事例であり、膨大な関連研究を渉猟した本書は入口として最適な一冊でした。...