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急に具合が悪くなる

カンヌ映画祭に出品された、パリを舞台とした映画「All of a sudden」で知りました。 『急に具合が悪くなる』は、がんを患った哲学者・宮野真生子と、その友人で医療人類学者の磯野真穂による往復書簡である。 がんを宣告されるということは、単に「病気になる」ということではない。それまで当然のように続くと思っていた人生が、突然「いつ終わるかわからない人生」へと変わることである。 その立場になって初めて見えてくる、医学、意思決定、偶然、信頼、患者と非患者のコミュニケーションなどについて、二人が考え続ける本である。対話の内容を以下に簡単にまとめる。 医学は確率によって未来を説明しようとする。しかし個人の人生は一回しかなく、その未来は最後まで不確定である。 だから「選択」とは、不確実性を消してから正解を選ぶことではない。むしろ、選択とは、偶然を許容する行為である。 そして選択によって本当に決まるのは、「治療Aか治療Bか」「旅行するかしないか」といった目の前の事柄だけではない。不確定性や偶然性を含んだ世界に対して、自分がどのような態度で生きるのかが決まる。病気になることも、治療が効くことも効かないことも、いつ死ぬのかも、完全には自分でコントロールできない。しかし、その偶然をどう受け止めるのかは、自分の生き方に関わっている。 宮野の言葉を軸に考えるなら、偶然を排除したところに自己があるのではなく、偶然を引き受けながら生きるところにこそ、「自己」と呼ぶに値するものが現れる。 その意味で本書は、がんについての本であると同時に、「自分では決められないことだらけの世界で、それでも自分の人生を生きるとはどういうことか」を考える本でもある。

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『急に具合が悪くなる』 についての Shion Honda のレビュー | Bibly