プロダクトマネジメントのすべて 事業戦略・IT開発・UXデザイン・マーケティングからチーム・組織運営まで
『プロダクトマネジメントのすべて 事業戦略・IT開発・UXデザイン・マーケティングからチーム・組織運営まで』(及川卓也、小城久美子、曽根原春樹 著、翔泳社、2021年)は、プロダクトマネジメントにおいて求められる幅広い仕事の全てを網羅的に解説しようと試みた野心的な本です。著者の小城氏が公開している関連記事からも読み取れる通り、本書は形式化されていない抽象的な知識を言語化・体系化・図式化したものです。チームメンバーと共通認識を持つために輪読会をするなどしても良さそうだと思いました。 私は2022年に社内起業に挑戦した際に『起業の科学』を読んだのですが、実際にプロダクトマネージャとしてサービスを作るとなると、何から考えればいいのかわからないことが多く非常に苦労しました(例えば、プロダクト指標をどう設計するか、ロードマップをどう作るかなど)。チーム内での議論についていくのも大変な状態だったので、本書を通じて基礎知識や考え方を学びました。基礎という意味では第2部までが非常に有意義で、上記の「関連記事」もほとんどは第2部までの内容を元にしているようです。それ以降は組織やマーケティング、ソフトウェアなどに関する各論的な話であり、そのときの状況に依存する要素も多いので、「気になったときに読む」くらいで良さそうだと感じました。私はその後、ソフトウェアエンジニアになってプロダクトマネジメントから離れましたが、本書および業務を通して身につけた考え方は事業にインパクトのある仕事をする上で今でも役立っています。プロダクトマネージャでなくとも、プロダクトの設計に関わる機会のあるすべての方におすすめできる一冊です。