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『プロダクトマネジメント ―ビルドトラップを避け顧客に価値を届ける』(Melissa Perri 著、吉羽龍太郎 訳、O’Reilly Japan、2020年)もプロダクト開発系の書籍でよく代表例に数えられる本ですが、こちらは『プロダクトマネジメントのすべて』よりも組織の話が多めで、架空の会社を舞台とする物語をベースに議論を進めていきます。同書とは内容も書き方も異なる部分が多いので、両方読むことで理解が深まると思います。 そもそもビルドトラップとは、組織がアウトカムではなくアウトプットで成功を計測しようとして、機能開発ばかりに集中してしまっている状況のことを指します。これは、ジョブ理論が唱える、「顧客にとっての価値とは顧客の問題を解決することである」ということを理解・実践できていないことに起因します。このビルドトラップを避けることがプロダクトマネジメントの一つの命題であるわけですが、本書ではこの問題を単にプロダクトマネージャーを雇えば解決するものではなく、組織全体でプロダクトマネージャ的な考え方を身につけなければならないとしています。これは極めて重要な点で、コードを書くことにしか関心がないエンジニアやスケジュールにしか関心がない管理職、契約を取るために安請け合いをしてしまう営業といった例を考えれば、その重要性や難しさがよくわかります。 「ではどうすればプロダクトマネジメントができるか?」という問いに対して、本書では第4部の「プロダクトマネジメントプロセス」において成功指標の設定や問題の探索(ユーザインタビューなど)、解決策の探索などの取り組み方を一通り解説しています。この辺りは実践ありきなので本を読むだけで習得するのは難しいですが、知識として持っておくと業務で課題に遭遇した際に実践しやすくなるかもしれません。

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