図書館にて。数学の本にしては珍しくコンピューターの構造についての話が多めに掲載されており、AIの限界の話なども述べられている。そしてまえがきが1988年ということにも驚かされる。言語翻訳の難しさなど現在では大分克服された問題もあるが、かなり先見の明があったといえよう。投影幾何学など文系の私には聞き慣れないワードもあったが、内容もかなりわかりやすくまとめられており、高校生レベルの数学が理解できれば読破は容易だろう。数学科やプログラミングに興味がある高校生におすすめしたい。
図書館にて。村上春樹氏のエッセイ集のような体裁で非常に読みやすかった。小説家になろうという片意地張ったスタイルではなく、書いた小説がたまたま目に止まり小説家としての道を歩むと決めたということがわかる。変にメッセージ性があったりするわけでもないので、芸術家気質なのだなぁと感じた。
このレビューにはネタバレが含まれています。 クリックすると、ネタバレを含むレビューを表示します。
図書館にて。文化人からスポーツ選手まで様々に取り上げている。下手に綺麗にまとめようとするよりも家族や親しい人が時間を空けて心に整理した時に振り返って書かれた文章の方が心を打つ文章だと感じる。ふとした一言や瞬間を大事にしたいと強く感じた
図書館にて。前半の小説の書き方(?)と後半の書評部分に分かれており作者の顔がよく見える。前半部については具体的な方法があるわけではなく、小説を書く上での心構え?のようなものを述べているように読めた。ざっくりとありきたりにいうならば型にハマらず、自分を表現すると言ったところか?後半の書評部分がとても面白く、中原中也賞の論評も載せているのはとても良かった。読んでいて思ったが「物語」と「小説」の間にはとても大きな隔たりがあるようだ。 とにかくも筆者の文学愛のようなものを感じとてもワクワクする作品だった。
批評に興味があるものの専門性の高い書籍が多く悩んでいた私の需要に蜂のように刺さったため購入。難解な理論というよりも文章や映像の鑑賞の注意点などから始まり、筆者による批評の議論を載せるなど実践的なところまで記載。小難しい議論が少ない分読みやすいが、筆者が専門のフェミニズム、クィア批評、映画や音楽など内容の偏りがあると感じた。参考文献など豊富に掲載されているため次の一冊は見つけやすいと思われる。これを読めば批評を書ける、というような本ではないが、異なる視点から本や映画を見たいという思いには答えるだろう。
e-bookにて。ドラゴン桜もそうだけど、受験経験組には刺さってしまうのだ…
図書館にて。星新一の短編集である。読書会の題材に選ばれ読み始めたがとても読みやすい。短編集は大体最初の数点だけ面白くてあとは惰性で渋々読むことが多いのだが、最後まで飽きることなく読みキレたのは星新一の魅力だろう。特に「涙の雨」は傑作だと感じた。ただ、何故か読み終わった後にムカムカするときがあるのは話が唐突に終わることがあるからだろうか。
図書館にて。文学史は高校の時に学校で渡された本から適当にテストに出る程度で授業もなかったので名前だけ知っている程度だった。明治から現代までの流れが概観できる。当たり前だが、名前も知らないような作家も出てきており、論壇や文化の担い手といっても、時が経てば当時の読者の読書経験や感動も我々の目からは見えなくなってしまうのだと感じた。
図書館にて。写真集に近いのですらすら読めるがなかなか面白い。前原一誠や江藤新平など名前しか知らない人の顔写真が載っており非常に興味深かった。山川出版から出ているというのが意外なところ
図書館にて。初学者にはいいかなぁと思いつつ読んでみることにした。名前を聞いたことあるものからないものまで、引用をしつつ現代にも活かせるように読んでいて面白かった。ただ、記憶に定着したかと言われると怪しいところがあるので、サラサラ読みすぎてしまうのも問題ものか?最初の1冊としてはとても最適だと思った。
図書館にて。文芸部記者による現代日本小説のふりかえりでよしもとばななや村上春樹、俵万智の登場がどのような影響をもったか、PCなどの技術が書き手に与えた影響などを記している。学者による者でもないので格式ばってもおらず、読みやすい。
図書館にて。5人の登場人物の手紙からなる手紙の書き方講座だが、各人の個性が手紙上に現れていてつくづく三島由紀夫の凄さを感じた。流行りの(?)オジサン構文のような気色悪い文章から強かな若い女性、おとぼけキャラまで書き分けていた。ユーモアを織り交ぜつつ5人が絡む恋愛劇が進んでいく様子はさながら舞台のようであった。 SNSの活用が広まったので手紙も過去のものになってしまったが、頻繁にやり取りできないからこそ書かれる文章は推敲されていたのだろう。
図書館にて。読書会の題材ということもあって読み進めていた。最初日本経済新聞から刊行されたのが昭和43年5月とのことではあるが、便利なロボットの配備やその中での人間の悲哀が描かれていて現代でも通ずるところがある。「ショートショート」なのでどうしても小噺(あるいは長編の一部を切り取ったもの)のように感じてしまい物足りない感じもするし、かえって読みやすいのかもしれないが、いまいち読み方が難しいと感じてしまう。
図書館にて。登場人物がわかりにくいことと翻訳特有の読みにくさからとっつきにく感じた。逐語訳としては良いが、主語が乱立して読みにくい。ただ、おばあさんの登場以降は急に文体が変わったかのように読みやすく引き込まれていった。後書きか解説文で理不尽さについて触れられていたが、カフカの描いた理不尽とはまた違った理不尽なのだろう。後書きではアレクセイの一人称に迷ったと書かれていたが、私はどうしても将軍の口調が気になってしまった。何回か読み直すと違う味わいがするように思えたので、違う翻訳版も読んでみたい。
図書館にて。日本銀行のキャリアを持った筆者がIMFの意向を受けルワンダ中央銀行の総裁となり経済を立て直すエッセイである。銀行業の知識に乏しいので完全に理解したとはいえないが、制度のもとで暴利を貪る外国人や権力者の姿はリアリティがある。先進国の奢り、押し付けの経済成長ではなく、住人の生活の向上という観点から金融政策を推し進めていくのは理想ではあるが、市場参加者の思惑により歪められてしまうのが実情なのだろう。古い本ではあるが、今読んでも学びがあった。
友人からもらって長々と積み込んでいた本。中国成都からビルマを通ってインドまでを抜ける「西南シルクロード」の旅行記である。旅前までは筆者曰く「ひきこもり」だったとのことで、文章もなかなか先に進まずよみにくさがあったが、旅に出てからは一転してスラスラと読めてしまった。今から20年近く前の内容なのでそぐわない内容もあるかもしれないが、ゲリラの内情についての記述はとても面白く読めた。大麻生産と収入源、内部分裂とインド政府の策略など生々しさがある。随所に見られる元?「引きこもり」の筆者のツッコミもハマると面白い。
図書館にて。「学生」という短いテキストから講義を行なっていくが、チェーホフの他作品やドストエフスキーなどとの比較も含むため読むには骨が折れた。チェーホフの他の短編などとの比較を通じて特徴を集め、ロシア文学の中における特徴を見出そうとする。初学者向けかと思い手に取ったがなかなか読みにくい文章だった。印象的なのは風景描写や主体と受動、ロシアの自然環境などに関する指摘である。土地が広大なロシアだからこそ孤独や永遠への一体などの方向へ意識が向かうようだ。
長い間積読していた本。手元のものはNHK出版だが登録もないのでこちらに書く。 8つのテーマをもとに西洋美術作品を見ていくが、それぞれ絵を出して解説ポイントなどを記述しているのでとてもわかりやすく面白く読めた。「はじめに」に掲げられた文章(要約すれば白紙状態で作品を受け止めることが重要で知識はそれを邪魔するという姿勢の結果、美術館に行くことは退屈になった)はとても共感できる。そういう姿勢で描かれているからこそモチーフや作者の紹介、絵の背景、歴史などの説明もふんだんに盛り込まれている。まさに教養であった。
東大より京大の方が楽しそうという理由で手に取ったが、期待を裏切らなかった。テキスト、読解(整理)、設問1つの流れだが、出題者の意図を汲もうという姿勢が感じられる。考えすぎという人もいるだろうが、このくらいの方が入試も楽しいのではないだろうか。 最後に掲載された山口剛さんの文章が受験時に出題されたら真っ青になるだろうと冷や汗をかきつつ面白く読めた。こういう本のいいところは自分では容易に言語化できないことを簡潔に言語化してくれる点で便利だが、だからこそ流し読みができない辛さ、読み進めていく上での苦しさもある。
Twitterの広告を見て買って積読していた本。大きく3つに分かれ、ライター4名の対談(主にアウトライナーに関して)→登壇者の振り返り(メール)→再度対談の構成。第1章を読んだあたりでは哲学より実践的な内容が多く、共感しにくい内容だったが、振り返りや再度の対談を経てある程度腑に落ちる感覚である。どこで終わりとするかについて共通する悩みがあるようだ。しかし、4名で行ったという臨場感やその場の雰囲気は伝わってこなかった。また、振り返りの文章の締切と実際の提出日を掲載するなど、編集者の意図がわからなかった。
図書館にて。FRBのトップであったバーナンキが現役時に大学で講義をした際の議事録である。大学生向けに話していることもあり、また学生からの質問が高く感じられた。巻末の文献も充実しており、大学生向けと言える。FRBがどのように発足し、どのような狙いがあるかについて繰り返し述べられ、ケーススタディとして20sの恐慌、グリーンスパンの戦略、リーマンショックが取り上げられる。大学生時代に読みたいと感じた。一方で誤字が散見された。
図書館にて。タイトル通り大体10時間程度に読むのにかかったか。幅広い分野の哲学者を概観できるので、ざっくり把握するのには良いと感じた。一方で大学4年間を費やしてこの本の内容を理解してどうなるのかといった哲学そのものへの理解は深まらなかった。内容としてはカントのページが多いもののなんとなく理解しにくかった。また、親鸞の悪人正機については少し違うような…?と。筆者の専門の関係もあるのだろうか